やっと?出た...
去年、久しぶりに邦楽CDを買いました。『ジュリー祭り』以来かな。邦楽を聴かない訳ではないが、大体サブスクとYouTubeで楽しんでいる。スタジオアルバムについては洋楽も同じで、もうほとんど買わない。というか家にあるものは殆ど処分した。逆にDeadとZeppelinを異常なくらい買っている(笑)。あれは半分お布施というかファンアイテムだと思っている。いや、Zeppはお布施にすらなっていないんだが(汗)。
アルバム紹介

YMO / TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY
内容:★★★★☆
値段:クソ高い
昨年一部で話題になったYMOの1979年ツアー音源ですが、実際には90年代からちょこちょこと出ていて2000年代の箱にもそれらのうち数公演収録されていたはず(未購入)。今回はBOXという形で5公演+映像というがまとめられ、音が整えられて綺麗にパッケージされた。
以前からYouTubeにも動画が上がっていてそちらで楽しんでいましたが、やっぱりフィジカルで保存したくなって購入。5公演+映像で23000円強…うんタカイナ…。

↑Blu-rayを収納するトレイは安っぽいペナペナの材質。23000円も払っているのに...僕は箱モノを散々買ってきていますからここらへんはうるさいですぞ(老害ジジイ)
箱の中には紙ケースにCD5枚、ちょっと厚めのケースにBlu-ray、後はブックレット。シンプル。Blu-ray収納のケースはちょっと安っぽい。ブックレットは充実していますが、ここはチケットやポスターのミニレプリカを入れるくらいの気概は見せて欲しかった。縦長箱はブックレットのためかもしれませんが、この内容物ならCDサイズの箱が良かった。収納もラクだしね。

所謂ニューウェイブの括りとして捉えられることが多いが、(もうかなり繰り返し言及されていることではあるが)これはフュージョンだと言ってもいい。ニューオーダーのような演奏が怪しい(失礼)奴らとは違う。フュージョンといえばなんか馬鹿テクというイメージがあるが、いや、それがサポートメンバー含めてみんな猛者達なのですよ(ちなみにヴォーカルに関してはグレイトフルデッド並みに頼りないが...)。元々そちらの畑である渡辺香津美は言うまでもないが、細野さんのベースが踊ること。そもそも今回のミックスはベースの音を大きくしているのだ。リズムセクションが中心となっているミックスのおかげで随分とすっきりした空間が出来た。実際は人力なのだがより“テクノ”ぽい感じがします。教授が時々変な音を出すけど(笑)、ずっと聴いているとなんか良質のジャズを聴いたような疲れが溜まる。
『パブリックプレッシャー』ではギターソロの部分をを教授のキーボードソロでオーバーダビングしたのですが、今回はその部分を本来のギターソロと教授のオーバーダビング部分を併せて収録しているようです。そう言われて意識して聴いたら、確かにそんな気がする(笑)。そもそも『パブリックプレッシャー』だって最後に聞いたのが20年くらい前の話。忘れていました(汗)。こういう、まるでザッパのようなことをすると「余計なことをするな」というオリジナル録音至上主義者が出てきて文句を言いそうだな。

ちなみに1番好きな曲はやっぱり「テクノポリス」かなぁ。最後にずっとしつこくリフレインする部分が堪らない。でも後世への影響力といえばやはり「東風」だと思う。この“エモい”感じのアジアの風を感じさせるメロディーを作るのが上手い。哀愁漂うシンセポップという意味ではクラフトワークの流れを間違いなく汲んでいるのです。「東風」に限ったことではないけど、久しぶりにライブで改めて聴き直すと、香津美先生(お若く髭なし)のギターが大々的にフューチャーされている。これは最高のフュージョンだ(しつこい)。
NEW WAVEとしての彼ら
皆んなビジュアルもイケているし、その後のUS、UK勢との交わりを考えると改めてその影響力は大きい。1番好きなアルバムは『テクノデリック』か、そもそもメンバーそれぞれのソロを聴くことのほうが多い。『ごはんができたよ』『B-2 UNIT』『音楽殺人』、90年代には彼らのアナログが安かったから買いまくってXTCやOMD、ペットショップボーイズ、ニューオーダー、ノイバウテン、DAF、Yazoo、クリムゾン(ディシプリン期)らと同列で聴楽しんでいました。当時はオルタナ、デジタルロック全盛期でしたが、それらと同時にノイ、カン、グルグル、タンジェリンドリーム、アシュラ、勿論クラフトワーク等ジャーマンロック(アヴァンギャルド、電子系)も聴いていました。
ニューウェイブとは何かと言われれば、リズム革命だったと思います。もちろんYMOもその一翼を担うわけですが、このライブはそんな小難しいことは関係ない。ギター入りということで非常に生々しいロック的ダイナミズムがある。だからこそ今回購入しようと思った訳です。よりプログレ、テクノ的な文脈で捉えられるクラフトワークとは異質の、日本が誇るスーパープロジェクトがYMOだったのかもしれません。
今の時代クラフトワークとYMOを較べることもないと思いますが、クラフトワークの作品が描く世界観をアシモフやチャベックの小説のようなザ・ロボットだとすれば、YMOは攻殻機動隊に出てくる芸者ロボットのような感じだな(笑)。
まだ出せ、もっと出せ。NHKよテープを探してくるのだ!
なによりもコンサート毎に音質が違う。勿論だがアドリブは違うしミスともアレンジとも言えない絶妙な変化もあるし、5公演を聴く動機づけはしっかりと存在しています。別にディスる訳ではないけど超絶技巧曲のプログレバンドのライブ音源の場合は、アレンジが固定されていてライブ毎の違いを探しても間違い探しをしている感覚に陥ることが度々ある。
翌年後半にもワールドツアーを行っています。そちらもダイジェスト版が96年に早々と音盤化されていて、ファンは長年愛聴してきました。極端な結論を出せば、今回の箱(+『公的抑圧』)、この『WORLD TOUR 1980』と『武道館 1980』、『アフターサーヴィス』でYMOのライブ入門は果たしたと言える。それでも足りないなら他のもどうぞ、という感じ。

↑『WORLD TOUR 1980』。所有していたものは帯無しでした...ガックリ...。昔は帯なんて気にしないでほおっていたからなぁ。もう一枚買おうかなぁと値段を調べたら今はプレミア価格で取引されてる。5000円かぁ...
で今回のブログのために『WORLD TOUR 1980』をわざわざ実家から引っ張り出して来たので、久しぶりに通しで聴いてみました。ミックスバランスの違いもありますが随分と異なる印象を受ける。『WORLD TOUR 1980』は、よりテクノポップ〜ポップに寄せてきている。前年(1979)の方はヴォーカルの割合が少ないからかソリッドなのは間違いないのだが、僕がイメージするテクノポップとしてのYMOは間違いなく『WORLD TOUR 1980』の音です。こちらも現代的なミックスで聴きたいなぁ。
何?Atlantic箱のミックスより昔の方がいいって?『フェイカーホリック』を手元に置いておけばいいだけでしょ(笑)

↑『World Tour 1980』のCD。(元々)何故か内ジャケ無し…此れ(『WORLD TOUR 1980』)といい今回の箱といい2005年のBOXといいYMOはなんかパッケージの魅力に欠けるんだよなぁ…。
結論:
お値段は張りますが、プレミア価格が付く前にさっさと買っておくが吉。最近コンサート毎に再発されていますが、美麗ブックレットのためだけでも是非箱で入手することをオススメします。
いや、これは日本のライブ史に残る歴史的な傑作箱だと思う。最高のライブが5公演も聴けてしまうのだ。このまま1980年のほうも…
(また複数のブログ記事を合体させたので歪な内容になっちゃった…気が向いたら訂正します)
(K)