音国史(中国史と音楽レビュー)

音楽・ゲームブログ担当(K)歴史・小説コラム担当(T)

(小説)愛する者たちへ②

翌日、宴の始まる一刻前に三人娘は衣装を持ってきました。舞踊に使われる衣装なのできつく締めあげると体の線も見え、男の目を引くにはうってつけのものとなります。
三人娘はそれをわかっていて、協力して着付けをしていました。しかし、私の中にあった昨日の違和感の正体が突然分かったのです。
「皆さん待ってください。もう少しゆるく着付けをしてください。」
三人娘は最初きょとんとしていました。
「他の公女様も着飾って女であることを全面的に出してくるでしょう。本当はもっといろいろな飾りとかできることはなんでもしたいくらいなのに、どうして地味にしなくてはならないの。」
「そうよ。わざわざ私たち侍女のように抑えめに振舞う必要はないわ。晴れなのだから。」
口をとがらせる三人に、まあまあと手振りをしながら、私は意図を伝えることにしました。
「衛の太子様は生真面目な方で、狩猟なども含めて遊びを好まれないそうです。その代わりに書などがお好きで、教養が高いと聞いております。」
そこまで聞いて言葉を発していなかった宙がにやりとしました。
「最初は静艶を知的な人に見せて他と違いをつくるということかしら。」
「そう、後は静艶にこれを言ってもらわないと。途中で皆さんには来てもらわないとね。」
などと話しているうちに時間は迫ってくるのでした。

 衛の太子様は半分公的な場ということもあって、素服に黒色の縦縞を基調にしつつ、その縁に金糸を施したり、その下に鮮やかな萌黄色の物を着こまれたりとおしゃれにされていました。ただ似合っているにも関わらず、時々所在なげに帯に手を触れながら萌黄色を隠そうとしたりと、女の私から見て可愛さを感じさせる仕草も、知的な方に似合わぬ不思議な方でした。
 その隣にいる太子より十数歳ほど年上に見える方は右公子と呼ばれているようでしたが、人の好さと面倒見の良さと二つの良さがにじみ出ているような方で、料理や酒を持ってくる僕にも丁寧に接されていました。
 私は太子を見た後に、ふと自分の衣装が普段と大して変わらないことに恥ずかしさを覚えました。そうした目で使者を歓待するために集まった公女と侍女たちを見ると、自分の見すぼらしさが引き立つようで、顔が真っ赤になりました。
 普通の顔、普通の背、中華一の美女の邦である斉の選りすぐられた美女たちの集いで明らかに場違いな私。自分の姿も主人である静艶の見た目につながるということをすっかり忘れていました。その時、静艶が堂々として一人だけ他の公女と違った清楚な雰囲気を醸し出していなければ、すぐにも逃げ出したかったほどです。
 そんな私の想いとは別に宴はどんどん進んでいきました。そして、ここが勝負と太子の様子を伺ったのです。宰人が場にいた人々に、衛の太子がお話になる、と声を張り上げると歓声が上がりました。
 そして太子は立ち上がると、公女たちに向けて「窈窕」という詩を謡ったのです。
 貴族間においては、『詩経』にある数百首の詩を暗記し、自分の想いを政治や外交の場で婉曲に伝えるのが礼儀でした。ですので、ここにいる公女たちも太子との詩のやりとりを求められたということになります。もし男の貴族ならば、この「窈窕」の意味が解らなければ、しばらく謹慎しなければならないほどの大恥をかくことになるのです。
「『詩』ならあなたに敵う者は後宮にいるはずもないわ。」
 「窈窕」は淑女を求める詩、静艶に耳打ちして私が選んだのは嫁入を受け入れる詩「鵲巣」でした。私が先回りして言う言葉を、小鳥がさえずるように綺麗な声で静艶が吟じる間、太子の耳は静艶の声に聞き入り、それは私もその場にいた人々も一緒でした。詩吟が終わり、静艶と手を取って喜んでいると、私への強い視線を感じました。そちらを見ると太子でした。
「ちょっと私、外に出るわ。」
 そう言って静艶が出ていった後もじっと視線を感じたままでした。
太子の目は私に注がれていました。それも熱く。
 静艶と違って、しがない侍女でしかない私は太子と結ばれることはありえません。それでも思ったのです。せめて、人として衛の太子にふさわしい女にいつかなろうと。
でも本当は結ばれたい。嬉しいことばかりでなく、ふりかかる全ての災厄を乗り越えてでも。
 何度も首を振って周りを見渡すと、静艶はこちらに戻っても席につかず、そのまま父の斉公の元に向かって耳打ちしました。斉公が何かを考えている少しの間、静艶は外に出ていき、三人娘と共にこちらの席に来るとほぼ同時に斉公が立ち上がりました。
「本日は衛の太子がお見えになった喜ばしい日であり、娘たちが得意とする舞を太子と衛の御一行にお見せしたいと思う。」
すると寺人が公女を一度外に案内し、そこから再び宴の真ん中に立つと舞が始まりました。
「しっかり静艶様の衣装、直しておいたわよ。」
「これで太子様の心は静艶様のものね。」
「見てみて、太子の隣の右公子様なんて食い入るように静艶様に見惚れているわ。あれこそ惚けると言うのよね。」
大きな声で笑いころげそうになった三人を慌てて止めましたが、やはり舞は静艶が一番輝いていました。きつく締めあげた衣装に、流れるような舞、この舞は本来斉の地神に捧げられるものですが、ここにおける神が衛の太子であったことは言うまでもないでしょう。
舞が終わり、やった、と四人で笑ってから目を前に戻すと、太子の視線がこちらに移っているのを感じて、私は体のどこかが火照るような初めての経験をしたのです。


 先に帰った三人娘を追いかけるように私は静艶と後宮へ戻る道を歩んでいました。日の落ちるのは早く、周りの景色はもう暗闇へと変わってきていました。
 公宮での宴が終わり、いろいろ緊張しすぎて本当に疲れました。体が重くて、何も考えられません。早く室に戻って休みたい。
「静艶、今日は疲れたわね。」
 優しい静艶なら、きっと私を心配してくれるはず。
「大丈夫、姒簡?戻ったらゆっくり休みましょうね。」
「ありがとう、公女様。」
「何を今更言っているのよ、落ち着かないわ。」
そして二人で笑いました。
 気持ち急ぎ足になった私たちですが、後宮の門をくぐった後も意外と私たちの室までは距離があります。前を行く静艶も少し息切れしてきたようです。
 「少し休みましょうか。」
 どちらからともなく立ち止まって呼吸を整えました。
 周りを見ると、私たちの室と同じような室が近くにありました。
「ここは白月の室ね。もうすぐ魯に嫁入すると聞いたわ。」
 白月様は静艶と並ぶ後宮一の美女と名高い公女ですが、好悪に偏狭があることで有名でした。太子と母が同じと言うこともあり、中華を支配する周王に嫁ぐだろうと言われていた白月様でしたが、自分と並ぶ美しさの静艶を敵視し、すれ違っても露骨に無視をしてきました。ただ、嫌がらせというよりはこちらのことを鼻にもかけないというのが正しいような気がします。
 そんな白月様でしたが、突然嫁ぎ先が周王様から魯公へと変わりました。
 誰もその理由は知りませんでしたが、私たちは臍を噛む白月様を見て、軽蔑と言うより呆気にとられたものでした。
「忙しそうだけど、元気を取り戻したのかしら。」
そんな無邪気な言葉を全て押し流すような女の声が内から聞こえてきました。
「兄上から離れたくはございませぬ。」
「お前は永遠に余のものだ。類まれなる美しさを無神経に傷つける者は許せぬ。必ず魯公を討って、そなたを取り戻す。」
 二人とも聞いたことのある声でした。静艶と目が合いました。
「あれは白月の声ね。」
「男はまさか兄の太子様?体調がすぐれないと宴は途中で抜けられていたけど。」
 もう一度言いますが、斉の太子である諸児様と白月様は当然兄妹ですが、その上に同母なのです。その関係を考えると、背筋がぞっとしました。
(早くこの場を去らなくては)
 既に歩き出していた静艶を追いかけようとすると、待てという声と共にがっしりした手で肩を強く掴まれました。
無意識に体が動きました。肩を抜き、振り向きざまにその手をねじりました。すると、太子が痛みに顔を歪めており、その後ろでは室から白月様が顔を覗かせていました。
「兄上、大変申し訳ございませぬ。」
 静艶が声をかけてくれたので慌てて私も膝をつくと、太子はふうと息を継いで苦笑しました。
「太子に何をするのです。愚か者め。」
と鬼の形相で飛びかかろうとする白月様を押しとどめ、
「我らが妹の侍女ではないか、何を気にする必要があるのだ。さあ、立ってくれ。」
 私たちが改めて立ち上がって太子を見ると、その雄大な体躯を見上げることになりました。太子は長子ですが庶兄です。生まれに劣等感があるためか性格は激しく、白月様と同様に好悪に偏狭がありますが、武に関してはかなりのものであるという噂でした。
 こういった人には卑屈にならず、相手を立てるということが重要です。
「さすが兄上、武に優れた者を見る目がお有りになる。」
「はは。白月と後宮で一、二を争う美女に褒められるとはありがたい。」
 静艶は顔を赤くしました。白いうなじがますます目立ってきます。
「その侍女殿には怖い思いをさせてしまった。詫びも兼ねて明後日そなたの室に参りたいと思うがどうかな。」
「ありがたき幸せ。太子には『書』などについて御教授いただきたく。」
 静艶は女ながら男と同様の学があり、『詩』だけではなく、『尚書』などを学んでいました。
「女だてらに『詩』などと。兄上、もういいでしょう。こちらにお越しくださいませ。」
 なぜこうなるのか、どうして厄介事がまた私たちの目の前に現れるのでしょう。
 太子は何も言わず白月様の室に入り、白月様は憎しみの視線を私たちに投げかけ、室の扉は強い音と共に閉まりました。
 私たちは目を合わせ、ため息をつきながら、その場を離れることにしたのでした。

 

 

(続く)

ピンクフロイド 『ライブ・フロム・ロサンゼルス・スポーツ・アリーナ 1975』

マイクミラード、正規版に降臨

日本盤を持っているのに、ユニオンで叩き売りされていたので輸入盤もつい買ってしまったマイクミラード録音公式フロイド。おそらくマイクミラード音源にSONYのマークが配われて正々堂々と店頭に並ぶのはこれが最初で最後になるであろう。

アルバム紹介

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ピンクフロイド

『ライブ・フロム・ロサンゼルス・スポーツ・アリーナ 1975』(左:日本盤 右:US盤)

内容:★★★★☆

音質:★★★★☆(スティーブンウィルソン凄し!)

価格:リーズナブル(輸入盤1500円なら買い)

本来は『炎』デラックス盤のBlu-rayにおまけとして収録されていた部分を単独発売。フロイドのいつものパターン(笑)。

ブートレグの方は音飛びっぽい部分があったから売っ払ってしまい比較できないのですが、この公式ブート盤の音質めちゃくちゃ良くなっていないか?公式のミックスは凄いなぁ。賑やかな曲であればサウンドボードといっても差し支え無いレベルに仕上がっています。

先ず観客の声援が相当カットされています。音揺れやチリチリノイズも綺麗に除去。おーい聞いておるか、イエスのルーズヴェルトスタジアム君よ。これが公式の公式たる所以なのだぞ。

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↑US盤はシュリンクを残そうとするとCDとブックレットがギチギチに詰まっているから初動が大事。丁寧に取り出さないと取り返しのつかない事に…日本盤は安心の余裕があるビニール袋です。

逆にブートっぽさは薄くなってしまいました。会場の空気を少しだけ捉えているが、騒がしい感じは無い。長年ブート盤で聴いていた人には違和感があるかもしれないが、ここは別物として享受するが吉。ミラードや桃音源のようにステージの音を集中的に録音するタイプの音は公式的にも美味しいのかもしれない。

個人的に好きな、ボストンの主であるダンランピンスキのような会場の空気を含めて全体をバランスよく捉えるタイプは如何にもブートレグといった趣で公式化は難しいと思う。

何はともあれスティーブウィルソン、今回はよくやってくれました。

ブートだと3枚組でしたが非音楽的な箇所をカットして狂気+エコーズをCD2枚目に収録。公式は分かってねえな、ギターチューニングとかそういう余白があってこそ臨場感が上がるのに…でもコレはもうブート愛好家と公式の相容れない溝なのだろう。CDの枚数を増やしてでも完全収録にこだわる気概を公式に求めてはいけない。

ピンクフロイドのアルバムについて

イエスのアルバムは意外と選り好みが激しいのですが、ピンクフロイドの黄金期『おせっかい』〜『ウォール』は特に優劣はない。何せスタイルは違えど1stからエンドレスリバーまでクオリティーが一貫して高いのだ。敢えて言うなら『対』はあまり聴いていない。何せ当時はクリムゾンがセンセーショナルなサウンドで復活したのだ。それに比べて『対』は中学生の僕にはあまりに美しすぎた。当時はエイフェックスツインにNINの時代だったのだ。その時に聴いた印象があって今も食わず嫌い。ついでに『PULSE』もあんまり好きじゃなかったですね(笑)。やっぱりマイルド過ぎるのかな?

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↑日本盤は塩ビ焼けしそうな内袋、輸入盤はハダカで入っているので両方とも別途保存。あーめんどくせえ(笑)。東芝だから大丈夫かな?ユニバーサルの紙ジャケットの内袋、塩ビ焼けしまくっています。紙ジャケットを買ったらまず避難!絶対。
フロイドサウンドの核はリチャードライトが生み出すキーボードサウンドにあると考えています。特に『炎』ではその役割が1番強く、素晴らしいソングライティングや美しいやギターの後ろで奏でる、気怠く重い、あのヒプノシスのジャケットの人工物に囲まれた空間をうまくサウンドに落とし込めています。

イエスも鍵番は大事な要素ですが、曲の雰囲気を支配するレベルまでには達していない。サウンドプロダクションが命のフロイドにおいてはリチャードライトの鍵盤がないと、あの摩訶不思議なプログレシブロックオーラを纏えないのです。テクニカルな面ではクリムゾンに、ヴォーカル面ではイエスに一歩譲るフロイドが圧倒的に強いのは曲のクオリティーは勿論ですが、考え抜かれたセルフプロデュース力による点が大きいと考えています。

このライブ盤について

このライブで好きな曲はアグレッシブな「葉巻はいかが」、キーボードが大活躍する「Dogs」(この時点ではまだ「You’ve Got To Be Crazy」)。この2曲が圧倒的に光っています。「狂気」パートでは「孤高のスキャット」からの展開は毎度ながらダイナミズム溢れる展開。スタジオ盤を聴く気がしなくなります。「Us And Them」からの怒涛の展開、ギルモア先生のメロディアスなギターは、もう何十遍と聴いていますが感動的。ピンクフロイドのキャリアでもハイライトと言える瞬間。

そして長尺エコーズ。この75年のフロイドが1番幸せだったのかもしれませんね。77年になると観客へのストレスが激化、ウォールに繋がっていきます。

それにしてもアメリカの観客よ(笑)。ライブ中に爆竹ってなんだよ。ツェッペリンも散々に「ノー」と訴えていました。隠密録音を聴くと日本の観客は手拍子がうるさいくらいなのに対し、あっちの客はずっとピーチクパーチク、爆竹ボボン、よく分からん絶叫しまくりニキ…動物園かな?体験したい方は77年ツェッペリンのオーディエンスをどうぞ。

オフィシャルブートレッグ
こういう隠密音源に化粧を施して今回は無事にカタギのファンの皆様に送り出されたわけですが、はて…もはやブートと公式の差がより曖昧になってしまった。ELPのようにブート音源をそのまま公式発売するという荒技とまではいかないけど、正直目くそ鼻くその差。個人的にはウィンウィンとはいかないような気がします。

イエスの時に述べましたが、ラジオ音源であれこういった隠密録音であれ公式が録ったマルチトラック録音には敵わない。一般的なリスナーは音が悪いと文句を言い、ブートレグ愛好家は秘密の花園を荒らされてプンプンしながらいつもの音源を買わされる(←適当な感想)。

こういう隠密録音はあくまで好事家が人目を避けて聴くべき質のものであり、公式が「伝説の〜」「ファンに愛されてきた〜」などのキャッチコピーで売り出すのはちょっと違う。

今回はミラードの中でも最高音質の音源を、スティーブンウィルソンが丁寧にメイクアップしてブートレグの垢を落としたから商品として成立した、再現性があまりない商品だと思います。

でも、やる気あるなら他のミラード音源もよろしく頼むわ(笑)。SONYだろう?じゃあカンサス辺りを希望。チープトリックでも良いぞ。

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↑ネットから拝借
ところミラード先生、フロイドはこれ以外録音していない割にイエスは10ショウ以上録音しています。ライブとしてのダイナミズムはイエスの方が面白いからかもしれませんね。

ミラード録音の凄さをこのフロイド盤で知ってしまい、他のショウも聴きたくなり西新宿に足を運ぶ人が増える…かも。

未聴であればばZeppelinの『Listen To This Eddie』や『For Badgeholders Only』、イエスの77年ロングビーチ辺りからであろう。

フロイドは、でもあまり熱心に集めるつもりはないかなぁ。初期の、シドが抜けて直ぐの68年の混迷している時代の音源は初期グレイトフルデッド に通づるメロディアスなサイケデリックで非常に面白いけど、はてどうしよう。


結論:

ミラード音源は絶対に買え!

 


おまけ

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『夕月』が出ていましたね。23万円かぁ…

お友達がネオジオカセットを数十万で買っていたと聞いて、夕月は意外と安いかも…とはならん(笑)。でも発売から30年経って、現在まで値段が落ちないなんてロマンですね。僕は当然未所持です。

 

20万円以上出してでも欲しいのはThrobbing GristleのカセットBOXくらいかなぁ。いや、CDで十分か。

 

追記:

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3枚組CDのお値段が4500円から6200円に爆上がりしたダイカン。そのダイカン盤モントリオール1977最新盤がでました。6200円はちょっと…6000円あれば相当いい正規版のCDが買えますぞ。僕はプラケースブートにはどんなに多くとも4000円くらいまでしか出せません。これも勿論中古です。6200円ならジャケットを紙ジャケットにするとか冊子をつけるとか何かしら企業努力しないと、一般的なブートファン(そんなの居るんか?)には辛いと思う。音の違いは所持しているダウンロードした音源とそこまで変わらん。ジャケットに付加価値がないプラケースブートの存在意義は音質のみ。EVのDemixが明らかに分離が良くなっているなどの改善点が見られる分、こちらは値段だけアップして過去の音源の焼き回し。おいおい…

しかしEVのDemix君もお値段高すぎて手が届かないのでもうお手上げです。クリームの68年3月10日が29800からだと…?マスターテープクラスなの?買わないけど、29800円の音、ちょっと聴きたいです(笑)。

 

YES編が続いたので、ピンクフロイドもあと一回は取り上げるかもしれない。買ってはいるのだけど、積みCDと化している。

 

おまけ2

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ここ数年のヤフオク、海外勢の乱入試合が多くて異常じゃないか?円安だとかそういうレベルじゃない。ここまで来ると魑魅魍魎の渦巻く世界になってきている。僕は…勿論欲しいですけど同じ26万円なら、Vertigoのオリジナル盤、リンダホイルやキャタピラあたりを買いますね。いつか『Changes』は欲しいなぁ。

 

 

 

(K)

Black Sabbath / Live At Hammersmith Odeon

2箱買った...

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グレイトフルデッド の1985BOXが発送された。サウンドボードを入手して以来ずっと愛聴してきた音源だから、今回の公式化が楽しみで、まるで子供のようにずっと到着を待っている。今回は保存用と鑑賞用で2箱買った。これは『Spring 1990』以来。CDの2枚買いなんてする意味無いもんね。

だが、好きなタイトルはCDでも2枚買いしてしまうのがファンの性。でも流石に3枚以上買った事はありません。

ロニーサバスの驚異のライブ音源

世の中には“無限回収”なる言葉があり、主にはアイドルの推しグッズやトレカの世界で使われるようです。僕はCDやLPが趣味ですが、流石に無限回収はした事がない。でも唯一無限回収候補としているのがブラックサバスの『Live At Hammersmith Odeon』だ!

一応言っておくともう2枚持っているから十分。超特価で売っていたor未開封が出たら3枚目もあるかもしれん(汗)。

アルバム紹介

Black Sabbath 

Live At Hammersmith Odeon (1981年12月31日)

内容:★★★★★(Must Buy!)

音質:★★★★☆

このCD、早々と市場から消えていまい僕も当時珍しくプレミア価格で入手しました。発売当時中国にいて、ネット環境が悪く情報収集を怠っていてリリースしていたことすら知らなかった。

その後『悪魔の掟』のデラックスエディションに無事収録されてプレミア価格も崩壊して正常価格に落ち着きましたが、この黒いナイスなジャケットに限定番号が付いた仕様にロマンを感じてしまうのはファンとしての性かもしれません。

 

DIOサバスは、既に『Live Evil』というライブ盤がありましたがぶっちゃけ音、特にギターの響きがイマイチで、演奏の質は高かったのですがあまり聴きませんでした。ジャケットも…うん…。

それがこの『Live At Hammersmith Odeon』では見違えるようにパワーアップ。既にツェッペリンを含めてブートを通過していただけにサウンドボードのミックスなどを気にしていたのですが、ぶっ飛びました。これぞオフィシャルの拳骨でブートレグを粉砕する音質ダァ!(?)

因みにオジーなのですが、僕の中では例のリアリティー番組『オズボーンズ』の印象が強く(笑)、ロニーにオジーサバスの曲は合わないとかどうとかどうでもいい感じになっていました。だってオズボーンズのあの親父だぞ(笑)。ロックスターなのは分かりつつも、ああいうリアリティーショウによってイメージや幻想が粉々に破砕されてしまう事はアーティストにとってはマイナス。サバスやオジーは雰囲気も込み込みでの音楽だと思うので、黒魔術もクソもなく娘とバトルしているオッサンのイメージがついてしまった、アレは良くなかったと思っています。あの番組のせいで初期サバス、一時期聴かなくなったよ。

↑限定番号入り 限定版は番号が入ると一気に価値が上がる。さもないと実際にそのぐらいプレスしているか証明できない。

さて、このCDには望みうる最高の音質でロニーサバスの最高の演奏が80分間の容量みっちり刻まれている。願わくば、「アイアンマン」と並びかっこいいリフを持つ「Supernaut」がセトリに入っていないのが残念。

ハイライトは「ヘブン&ヘル」での観客との掛け合いだろう(笑)。「寝てんのか、お前ら?」と煽り最後はなんとか盛り上げ成功。凶暴なアメリカの観客ではなくて本国ですから良かった。無論アメリカの観客はノリノリでシャウトしてくれるだろう。

オジー時代の曲も勿論難なく歌いこなす。何せあの真正ブリカスと言ってもいい変人リッチーの下で3年間のフロントマンを務め上げた漢だ。ヴォーカルに関してはレインボーの方がオジーサバスよりも難易度が高いと思う。でも、なんか余裕すぎる歌いこなしが、オジーファンには気に入らないのかもしれない。ロニーも十分カリスマ性を伴ったヴォーカリストだと思うが、オジーとは方向性が勿論違う。

↑ジャケット、ブックレットがまた凝っていて素晴らしいのです

個人的に好きな曲は、一曲目の「ネオンの騎士」。これぞDIOサバスといった、オジー時代にはないスマートな曲でアルバムバージョンのギターソロは何百編も聴くほど好きでした。このライブ盤では多少簡略化していますが、それでも圧倒的です。

Rhino Handmadeの奇跡

Rhino Hamdmadeレーベルはサバス以外にも多くの素晴らしいアーカイブを残しています。

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1番のおすすめはアレサフランクリンのフィルモア完全版ですが、これは本当に別格。全てのライブ音源の中でも最も優れたものだと思っています。アレサが女性ヴォーカルのランキングで1位を取るのも納得できる凄み。ロックファンだろうが教養として聴いてみることを強く勧めたい。日本盤で何度も再発も出ているしrhino handmadeでも最も有名な1枚であろう。ただ、限定盤とは…?と疑問符をつけざるを得ないが。

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あとはドアーズの後期ライブも数枚出ていてどれも必聴です。デトロイトとフィラデルフィアの2枚はドアーズ初心者の入門盤としてもいいと思います。

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あまり強くおすすめは出来ませんが、モンキーズの『Summer 67』もファンには必須。オフィシャルとしてはクソ悪い音質だが、勿論「恋の終列車」「アイムビリーバー」を歌っています。ビートルズと同じく黄色い声援が当時の人気を物語る貴重な記録であり、ブートに慣れている人ならまあ良好音質。これにブースカと文句をいう人の気持ちは…うん、分かりますね(笑)。リスニングには十二分に耐えうる音質だとは言っておきたい。音源はYouTubeに全部アップされています。オリジナルCDはサバス、ドアーズ、アレサとは比較にならない程激レアでございます。海外でのモンキーズ人気は未だ根強く日本との温度差を感じます。ちなみにユニオンさんだと5000円から7000円の価格帯で時々見かけます。海外だとその倍はくだらない。

Rhino Handmade、日本ワーナーが名前をパクって青山ハンドメイドとかいうサブいレーベル名を使って女性ヴォーカル系を数枚リリースしたようですが、そのネーミングセンスの酷さよ(笑)。

2種類のMob Rules Deluxe Edition 

話をサバスに戻します。

この時期のサバスはブートレグを含めて色々と音源が出ていますが、結局買わずじまい。だって音質と演奏が『Live At Hammersmith Odeon』を超えていないのですから、これ一枚で満足しています。このラインナップで日本にも来ていますが、その時はバンドの調子もイマイチだったようです。

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今『Live At Hammersmith Odeon』を買うなら2010年版『悪魔の掟』デラックス盤に収録されていますから是非!紹介したRhino Hnadmade盤は最近またプレミア価格が付き始めていていますし、わざわざ入手する必要はないと思います。ちなみに2021年版デラックスエディションは別の日の音源が入っているから注意(そちらも音の分離も含めて非常に良い)。

おまけ 2021年版『Mob Rules』

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まずアルバム本編ですが音、違います。前回のリマスターは『Live At Hammersmith Odeon』と同じくアイオミのギターが少し大き目にミックスされていましたが、こちらはバランスよくなっています。より現在の主流である全ての音が聴き取れるようなバランスタイプのミックスに寄せたという感じでしょうか。

そしてメインディッシュのライブ音源ですが、『Live At Hammersmith Odeon』から4曲(うち2曲は後述オレゴンのセトリに含まれていないもの)、そして新たに82年4月22日オレゴンでのライブを収録。演奏のレベルはハマースミスオデオン版と殆ど同レベルで素晴らしいもの。正直いえばあまりにハマースミスを聴きまくったせいで、ミックスはちょっと物足りないが、それがどうしたレベルで内容がいいので許す(←何様?)

ライブ音源出せ出せ出せ出せ(以下略)

いや、あるじゃないですか…オレゴンのような秘蔵音源。どうせまだあるんでしょ?本来なら『Live Evil』のデラックス盤あたりに収録すべきものだろう。じゃあ『ヘヴン&ヘル』デラックス盤に収録済みでブートでも有名な1980年ハートフォードもフルライブをオフィシャル化すべき(公式では出ていないよね?)。

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何はともあれこの2枚、レインボーの76年、78年はファンとって垂涎モノの音源なのです。

 

 

(K)

 

(小説)愛する者たちへ①

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〇春秋前期 衛 家系図(数字は即位順 括弧内は諱)

①武公(和)―②荘公(揚)――③桓公(完)

              ― 昭伯――――――⑨戴公(申)

              ―④州吁     ―⑩文公(辟疆、のちに燬)

              ―⑤宣公(晋)――― 伋

              ― 右公子(職) ―⑥恵公(朔)―⑧懿公(赤)

              ― 左公子(洩) ― 壽

              ―⑦黔牟

〇春秋前期 衛 家系図

①荘公(贖)――②僖公(禄父)――③襄公(諸児)

                ― 文姜

                ―④桓公(小白)

                ― 宣姜

       ―夷仲年――――――公孫無知

〇登場人物

静艶(宣姜)―斉の公女

姒簡―静艶の幼馴染にして侍女

姒簡の母―斉の女官

三人娘―静艶の侍女たち、それぞれの名は、日、華、宙

玄―静艶の寺人(去勢された従者)

斉僖公―静艶の父、斉の君主

太子諸児(斉襄公)―静艶の庶兄

白月(文姜)―静艶の姉、諸児と同腹

衛宣公―衛の君主

太子伋―衛宣公の太子

右公子―衛宣公の弟、壽の太傅

左公子―衛宣公の弟、太子の太傅

夷姜―衛宣公の正妃

朔―静艶の子

壽―静艶の子、朔の弟

 

 

 

 

 

 

 

序

 

 人は、私と静艶を悪女と言うのでしょう。

 太子、右公子、左公子、そして静艶がお腹を痛めて生んだ壽様、皆私たちと関わって落命することになりました。

それでも…。今も思うのです…。

 

一、 守る 
 

「いよいよ明日は衛の使者がお出でになりますのね。」 

「斉公様から頂いたこの服が似合うのは静艶様だけですわ。」 

「でも行列を遠くから見かけたけど、太子様の後ろの護衛の士も見た目が良かったのよ。」

「もう、主人公はあなたじゃないのよ。」

宴の前の日、私の同僚である三十路の三人娘は興奮し、昨年公女たちの舞で一番として斉公から頂いた錦の服を持ち出してきました。赤や緑のような目を引く色ではなく青が基調の衣装で、静艶の落ち着いた中身をそのまま外に現したかのような衣装です。その時、私の中で何かが閃いたような気がしたのですが、先に三人娘が漆塗りの光り輝く履を持ってきました。

「静艶様、この履はこっそり商人から買っておいたものですわ。」

「こう見えて私たちは殿方には人気があったものですから、見立ての力を信じてくださいませ。」

 わはは、と大声で笑う様は落ち着いた静艶とどちらが、身分が上なのかとあきれるばかりです。ですが年相応の図太さを除けば、今でもこの三人は並みの娘たちよりは断然美しいと思います。

 この三人は過去、別の公女様の侍女でした。しかし、その美しさや人の好さが災いし、他国の公子やその使者に言い寄られ、主人に自身の婚姻を邪魔すると憎まれたり、他の侍女の嫉妬を買ったりと後宮を追い出されそうになったところを母に声を掛けられたのでした。

どのように母が問題を解決したのかはわかりませんが、三人ともこちらへ来てからは不安な様子を見たことがありません。

「皆、本当にありがとう。衛の太子様は評判がいいから、きっと競争も激しくて自信を失いそうだけど。皆には女として勇気づけられるわ。」 

「私たちには静艶様しかいないのだから、尽くすのは当たり前ですよ。」

 何気ない一言でしたが、一瞬その場が凍り付きました。ですが、

「何湿っぽいこと言ってるのよ。静艶様は元より美しいのだから、全力で尽くさないと逆に足を引っ張ることになるわ。しっかりしなさいよ。」

 てへ、と舌を出す姿に皆はまた大笑いをしました。

 ですが、侍女三人娘が服を片付けに倉へ向かった後、静艶は私の傍に寄ってきて、母上の元へ行きましょう、と耳打ちしました。私は黙って頷きました。

 大事がある時、私たちは静艶の母の墓の元に詣でるのが習いでした。

 自室からはもう勝手知ったる道であり、どんなに暗くても迷うことはありません。

 とはいえ、さすが大国の後宮にふさわしく広い地を歩くことにはなるのですが。

私たちの生まれた斉、この邦は大きな中原を東に進んだ端、海に面した地にあります。

 もう六百年以上も前、西周の始まりと共に建国された大国の都の、更に限られた人しか出入りできない後宮で私は育ちました。

 静艶と私の母は共に現斉公が若い時に仕えていた侍女でした。ですが、静艶のお母様は斉公に見初められ、正式に夫人として立ちました。それに安心したのか、ちょうど私の母もある中級の大夫に見初められ、後宮をいったん出ることとなったのです。

 そして二人は共に妊娠して子を産みました。母は私を産んでも全く健康に問題なく、静艶の母を見舞いに行くと言って父の止めるのを聞かず出歩いていたと聞いています。ですが、静艶のお母様は出産後の肥立ちが悪く、体調が日毎に悪くなっていきました。

母も無理を推して看病に加わったのですが、いよいよ治らないということになり、枕元に母が呼ばれました。

「ごめんなさい、この後宮で心から信じられるのはあなただけ。娘のことを頼めるのもあなたしかいない。この子が私の分まで長生きしますように。」

 最後に静艶を見て、止まらない涙を流した静艶のお母様は、母と静艶の手を握ったまま旅立ったのです。

 私の母は最初静艶を引き取ろうとしたそうですが、そうすると公女の地位も剥奪されると聞き、母自身が父と別居する形で後宮に戻ったのでした。別居といっても後宮にいる以上、父とはほぼ会う機会がありません。幼い私を抱えながら公女付きの侍女に戻った時は、心細くて仕方がなかったと、母は後で私に語りました。

 それから十八年、残念ながらすぐに私の父も亡くなり、その間に先ほどの三人の侍女が増えたりしました。安心したのか、母はその年の夏に斉公付きの侍女をまとめよ、という命令に従い斉公の巡行にお供をしました。その際に洪水に巻き込まれて行方知れずとなってしまったのです。

 こうして孤独の環境におかれた静艶と私は実の姉妹以上に仲良くなり、協力して困難に立ち向かうこととなりました。

 この三年間、墓へ行くことが多くありました。それこそ完全に道を覚えてしまうくらい、何か苦しいことがあった時は墓で愚痴を言い、涙をこぼしたのです。

 静艶は元々地味な公女でしたが、長ずるにつれどんどん美しさを増していきました。それでも私の母がいるうちはつつましい暮らしの中に何も起こらなかったのですが、公女の舞の褒美として斉公から衣を頂いた頃から、他から嫌がらせを受けるようになりました。鼠の死体を門の前に置かれるなど、嫌な思いには事欠かなかったのです。

 ですが、不思議と静艶が墓で祈ると、そういったことがなぜか解決していきました。

嫌がらせの犯人と目された侍女は実家の都合で後宮を離れ、こちらを敵視する公女は小国へと嫁ぐことになりました。その度に私たちは、天意はあると胸を撫でおろすのでした。

 

(続く)

 

小説連載のお知らせ

本ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。音楽やゲームなどを担当しているブログ管理者のKと申します。

本ブログの記事は複数名で担当しておりますが、今回また新たにお一方が加わることになりました。歴史小説を連載していただけるとのことで、私(K)も楽しみにしております。

音楽やゲームをご愛好される方には歴史好きも多いと思われますので、今後とも是非ご閲覧、フィードバックの方をよろしくお願い申し上げます。

私(K)の方は息子がまだ小さく、記事の投稿も非常に緩慢となっておりますが、細々と書き続けていくつもりです。

(T)さんは元々歴史の研究をされていた方なので、中国史を中心に幅広く知識をお持ちです。リクエストがあれば是非コメントをお残しくださいませ。

そして今回の高橋先生による連載小説ですがタイトルが『愛する者たちへ』とのことです。

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私(K)も未読ですので皆様と一緒にどのような作品になるのか期待しております。

 

以上お知らせでした。

 

今後とも本ブログのほうを宜しくお願い致します。

 

 

(K)

 

 

Yes / 『危機』

今更の危機

久しぶりにイエスの危機をアナログで聴きたくなった。とはいえアナログ高騰時代の今、英国マト1は高嶺の花。僕が準備できる資金はせいぜい10000円迄で、アナログらしいいい音で聴きたい。かなり昔ボロいUK両面マト2を数千円で買って聴いていたが、十分素晴らしい音であった。しかしベースがちょろっと引っ込んでいるのが英国盤らしいといえばらしい。本当はUSプロモ盤が欲しかったけど予算オーバー(泣)。アナログ本当に高いよ。

アルバム紹介

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YES / Close To The Edge

MFSL (1982年盤)

音質:★★★

内容:★★★★★(金字塔)

という事で10分くらい在庫を調べて(笑)MFSL盤にしました。通販で盤Exを予算内で入手。消費税を含めなければ4桁という相場かちょっと安いくらいの値段。危機のMFSLは基本的に昔から10000円前後でしたからね。ジャケットVG++でしたから、リングウェア、割れを覚悟していましたが、ご覧の通り上部が多少割れていて背ヤケ、表ジャケ右側一部色褪せ程度。うん、全然問題ない。リングウェアがほぼ無い。MFSLのカタログ厚紙インサートもちゃんとある。

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↑このカタログ厚紙インサートがないと完品ではないのです

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↑見開きジャケット

実は僕はアナログに関しては意外と厳しいコレクター基準を持っているのだ(だからどうした?)。因みに現在ユニオンで同『危機』MFSL盤が20000円越えで出ていますが、流石に高杉でしゅ。

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なぜこの盤にしたかというとDiscogsで「めちゃいい音」(意訳)と書いてあったからだ。んで聴いてみるとあら、確かにMFSL盤特有ののフラットな感じではなくちゃんとクリスのベースがボンボンいっている。ん…でも絶賛というほどではないなぁ。有志のブログをみるとUSマト1の音がいいとある。あとはいつも通りUKマト1。うん、どうしようか。

『危機』の肝はクリススクワイアのベースにある。あのやたらアップダウンしてビルのドラムを統制しつつヴォーカルパートでは独特のグルーヴ感を生み出しているのだ。つまり極端なことを言えばベースがブンブンとなってくれる盤=良い盤となる(←本当か?)。バランスの取れたUKミックスではなく、今でいうクラブユース仕様で出して欲しいのです。

そもそもこの記事は、比較する盤すらないので何のために書いたのか分からん。次回以降の布石ということにしておこう。

曲解説は今更だろう。イエスのブートレグを聴いている方なら三曲とも百回以上は聴かされていると思う。曲は複雑に見えて構成はシンプルなので聴き易いプログレ入門版として適しています。「長い」「変拍子」「意味不明の歌詞」「シンフォニック」という所謂プログレが凝縮されている。ジョンアンダーソンという稀代のヴォーカリストかつ天性のメロディーメイカーがいるので、何だかんだ爽やかにさらっと聴ける名盤です。プログレやクラシックの基本としては反復して聴いて、曲構成やソロを覚えてしまうことが大事だ。そうすれば聴きどころが分かってくるし、ライブ音源も聴きたくなる筈。

え?覚える程聴きたくない?→この緑のやつは保管しておいて、先に『ロンリーハート』か『トーク』から聴きなされ。「The Calling」は名曲ですぞ!

www.youtube.com

↑今回の『危機』とは全く関係なし...

謎の書き込み

USマト1PRプラント盤はやんちゃ(死語)な音らしくちょっと気になりますが、いつでも買えそうだからまた通販で状態のいいやつを探しましょう。店でアナログをシャカシャカしたいのですが、ちびスケがいるので気軽にユニオンを巡回出来なくなりました。ちびスケは走り回るし叫ぶので流石に同伴させられん。抱っこ紐でレコードをディグっているパパを見かけると涙ぐましくなると同時に僕にはそこまでの熱意はない。

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そういえばDiscogsのMFSL盤の書き込みには「このMFSL盤でオリジナルマスターが使われたのを最後に、その数年後にマスターテープが紛失されてしまった」とある。マスターテープとはどのマスターを指しているのであろうか。USマスターなのかな?それともただのガセ情報か。

次回はおそらくUS初期盤(できればプロモ盤)か、UKマト1を入手したら『危機』第二弾の記事を書くかもしれません。

『海洋地形学』と『リレイヤー』も欲しいなぁ。『究極』はもういいや(笑)。『トーク』も買おうと思ったらオリジはゲロ高でした。

アナログは、箸休めで今後も時々取り上げます。

流石に危機のライブも張り付けておきます。

www.youtube.com

↑アルバムバージョンではなく、僕が一番好きな究極ツアーのもの。音も悪く画像も酷いですが演奏は最高です!

おまけ

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他にMFSL盤があったかなぁと家の棚を調べたら微妙なやつ(笑)が出てきました。あんまり音が良くないと噂のMFSL盤Dead Can Dance。5000円くらいで叩き売りされている時に買った気がする…。オリジナルに買い換えようと思っていたけど、チャンスを逸していました。盤がペラペラの廉価版レーベルから出たやつですが、僕はペラペラ盤の大ファンなので(?)一応取っておきます。180gや200gの盤は重い!

MFSLでは他に欲しいものは何かなぁ。音が悪いという、近年出たヴァンヘイレンの個人的最高傑作『伝説の爆撃機』のSACDはちょっと気になっています。でも5000円払って買う勇気はない…何せクソ音質と評判なので。

 

 

(K)

Led Zeppelin / 『黒船』(1971年日本ツアー)

CD、厳冬の時代

ブートを今更買っている人も少数派だとは思うけど、結局最終的にブートの価値とは何が残るのだろうかと考えるとジャケットだ(笑)。昔は、知らない音源を聴きたいという純粋な欲求がありました。ところが今では、誰でも視聴やコピーできる媒体が身近に存在している状況において正規盤CDですらニッチ産業と化しているのだ。特にコピーに関してはシェアが当然の善意だと考える海外勢によって良質なブート音源はあっという間に拡散。まあブート業者も海外テーパーの音源を散々に勝手にパッケージ化してきたから正直どっこいどっこいだと思うけど…。別にここで今更モラルについて語るつもりはない。


現状ブート君は、もはや“パッケージを持つと安心満足”というオジサン特有の謎ルールのみで市場が成り立っている(失礼)ようですが、もう10年後には淘汰されている可能性が高い。それはお店側も重々承知で頑張っていると思うので、出来る限り続けていただきたい。

アルバム紹介

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Led Zeppelin『黒船』

1971年日本ツアー5公演

内容:★★★★★(言わずもがな感動)

音質:★★★★

値段:現状ゲロ高 物欲満足度:★×100

そのパッケージの価値を大いに体感させてくれる、ブート業界に吹く逆風に抗った箱である。2022年に発売し即売り切れ、再発盤も出たが同様にすぐ捌けてしまい現在プレ値で取引されています。以前メルカリで“黒い貴婦人”バージョンが25万円くらいで売れていた覚えがあります。いやいや…10万以上は高杉…多分購入したのは海外の方だと思いますが、海外ニキにも…というか海外ニキにこそ大受けの箱。

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パッケージが本当に美しい。いや、立体物としての価値に全振りした商品と言える。

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じゃあ音質はどうかと言われれば一筋縄ではいかないのがこの店。例えば929は桃音源を中心に編集してあるのですが、この桃音源はあくまでオーディエンス、しかも71年だから機材も揃っていない時期であり、同じ録音者で評判の高い76年レインボーなどと比べると数段階音質は落ちる。でもそれを敢えて使用するスタンスは理解できます。「綺麗な音源を聴きたければ『KUTABARE MOONCHILD』辺りを聴けよ、というかそのくらい持っているだろう?」と言わんばかりの独自編集。だから929部分を聴いて「なんか音悪ぃなあ」という人はお呼びではないのです。使用音源は商品説明にもジャケットにも明記してあります。

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↑ EVの箱に数万円支払ったりした方もいる中で結局景品だった『KUTABARE MOONCHILD』が現状1番良い音質という皮肉。9291971は同じ鱈ですが桃音源ではなくOG盤を使っています。KUTABAREはOG盤とEVのSBDをメインに8ソースくらいが使われていて正に総力戦。これを日本人ではなくアメリカ人が作ったのだから、あっちのファンは凄いなぁ…

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とはいえ923、924辺りの音質は他レーベルに引けを取らないし何よりもあの“伝説”の71年日本公演を50周年を記念して改めてパッケージするという気概は素晴らしい。おまけでフライングロックカーニヴァルがついてきます。

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今更ながらこの日本公演は素晴らしい。プラントの声は71年9月の時点でピークを超えて下がり始めた時期であると思うが、それがまだ明確には表れていない。

個人的には「祭典の日」の演奏のピークはこの日本ツアーにあると思っている。「祭典の日」はロバートのヴォーカルからジミーのソロまで滑らかな曲線のように繋がっていて、バンドの一体感がものすごく表れる曲。リフもカッコよし、スピード感もありコンパクトながらもZeppで1番好きな曲です。929でこの曲にハマり全てのバージョンを聴きたいと色々と集めるも73年USツアーで復活したけどロバートの掠れた声にちょっとがっかりした覚えがあります。

僕がZeppのライブ音源で好きな曲は「祭典の日」「永遠の詩」「ダンシングデイズ」「シックアゲイン」の四天王。続ければ「カシミール」「胸いっぱいの愛を」(←メドレー付き)「オーシャン」「アキレス」「俺の罪」辺りか。「カシミール」は2007年のラストコンサートのバージョンが好きです。

この日本公演、特に東京公演については後日改めて触れようと思います。

CDは必要ですか?→Y

もうそろそろ潮時?
これを入手して「もうそろそろZepp関連のブートはいいかな…」と思いました。これとEVのシアトル+ヴァンクーバー箱でなんとなく満足出来る気がする。Zeppブートは新宿の華、それがこの箱で綺麗に総括されて終焉に向かっている気がしてなりません。

それはブートだけではなくグレイトフルデッド箱を含めたオフィシャル盤も同じです。

SONYもBlu-rayディスクの生産を中止する方向に向かっているようですし、フィジカルメディア自体の存在意義が問われているようです。CDも所詮800MBしか入らないメディア、ギガテラの時代に時代遅れになっています。Blu-ray専用ポータブルウォークマンも結局出なかったし(当たり前か)、パラダイムシフトに取り残されたメディアとなりつつあります。

でもさ…全部ストリーミングになると寂しくない?アルバムって聴覚だけではなくブックレットの歌詞やアートワークなど視覚や触覚込みで楽しみものだと思うんだけど。最近の非常にビジネスライクなアナログレコードのブームとは距離を置いていますが、それでも“物質としてのメディア”の素晴らしさを若い人が感じているのであれば、それがハイプだとしてもレコードブームは悪くないと感じています。

購入縛りルール

僕はブートレグに関してはルールがあって、当たり前ですが“聴くもの”を手元に置いてあります。いくらプレミアがついていたりレアでも聴かなければ手放すことが多い。ただ“聴くもの”は音質がいいとは限りません。多少悪くても愛着があれば時々聴きますし、サウンドボードがあってもオーディエンス録音で取っておく場合も多々あります。

後は、パッケージが良い、もしくはそのBOXに全集的な価値があるもの。今回の黒船は、大袈裟にいえば鱈の集大成的な内容で記念碑的な箱。音源以上にこの5公演をまとめたことに価値があるわけです。

逆にこれ以外の、味気ないプラケース系はどんどん手放す、もしくはそもそも購入しない。ネット音源で済んでしまうならそうしちゃう。

Zeppを含めてうちにあるブートなんて300枚もいかないと思います。やっぱオフィシャル盤だよね(シツコイ)。

EVの限定箱って当時ウン万円で買っても廉価版や再発盤がバシバシ出て、しまいにはすぐにネットに音源が流れるからいまいち買う気が起きない…75年シアトルだって当時超高価で買ったのに今や中古でなら10分の1の価格で手に入る(悲し)。それ以降EV系購入は躊躇してしまい、Xで誰かの購入報告を見て満続しちゃいます。音源はどうせどこかで出回る筈。75ロングビーチ2日目のサウンドボードはまだっすか?(出たら買うかも…)

↑このEVへの文句って僕だけじゃなくて他の人も言っているよね

ブート君も最近はそこまで夢中になって聴いていない(汗)。数年後には引退しているかもしれん…と言いつつ今日はイエスを買ってしまった。

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↑話題(?)の73年レインボー。ブログでは取り上げないと思います…海洋地形学全曲+危機全曲。音質も中々です。

ついでに横浜のユニオンにYESのバックステージパスが売っていました。ファンの端くれなので一応回収しておきました。YES専用棚に飾っています

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↑ お店には、あと一枚、『トーマト』ツアーのもありましたがデザインがシンプル過ぎてやめました。

僕は十年後もCDを買っている気がする。アナログも復活させようかな。UKトラッド系はお値段も上がっていないようですし、コレクションを再開するかもしれない。

 

 

(K)