CD、厳冬の時代
ブートを今更買っている人も少数派だとは思うけど、結局最終的にブートの価値とは何が残るのだろうかと考えるとジャケットだ(笑)。昔は、知らない音源を聴きたいという純粋な欲求がありました。ところが今では、誰でも視聴やコピーできる媒体が身近に存在している状況において正規盤CDですらニッチ産業と化しているのだ。特にコピーに関してはシェアが当然の善意だと考える海外勢によって良質なブート音源はあっという間に拡散。まあブート業者も海外テーパーの音源を散々に勝手にパッケージ化してきたから正直どっこいどっこいだと思うけど…。別にここで今更モラルについて語るつもりはない。
現状ブート君は、もはや“パッケージを持つと安心満足”というオジサン特有の謎ルールのみで市場が成り立っている(失礼)ようですが、もう10年後には淘汰されている可能性が高い。それはお店側も重々承知で頑張っていると思うので、出来る限り続けていただきたい。
アルバム紹介

Led Zeppelin『黒船』
1971年日本ツアー5公演
内容:★★★★★(言わずもがな感動)
音質:★★★★
値段:現状ゲロ高 物欲満足度:★×100
そのパッケージの価値を大いに体感させてくれる、ブート業界に吹く逆風に抗った箱である。2022年に発売し即売り切れ、再発盤も出たが同様にすぐ捌けてしまい現在プレ値で取引されています。以前メルカリで“黒い貴婦人”バージョンが25万円くらいで売れていた覚えがあります。いやいや…10万以上は高杉…多分購入したのは海外の方だと思いますが、海外ニキにも…というか海外ニキにこそ大受けの箱。

パッケージが本当に美しい。いや、立体物としての価値に全振りした商品と言える。

じゃあ音質はどうかと言われれば一筋縄ではいかないのがこの店。例えば929は桃音源を中心に編集してあるのですが、この桃音源はあくまでオーディエンス、しかも71年だから機材も揃っていない時期であり、同じ録音者で評判の高い76年レインボーなどと比べると数段階音質は落ちる。でもそれを敢えて使用するスタンスは理解できます。「綺麗な音源を聴きたければ『KUTABARE MOONCHILD』辺りを聴けよ、というかそのくらい持っているだろう?」と言わんばかりの独自編集。だから929部分を聴いて「なんか音悪ぃなあ」という人はお呼びではないのです。使用音源は商品説明にもジャケットにも明記してあります。

↑ EVの箱に数万円支払ったりした方もいる中で結局景品だった『KUTABARE MOONCHILD』が現状1番良い音質という皮肉。9291971は同じ鱈ですが桃音源ではなくOG盤を使っています。KUTABAREはOG盤とEVのSBDをメインに8ソースくらいが使われていて正に総力戦。これを日本人ではなくアメリカ人が作ったのだから、あっちのファンは凄いなぁ…

とはいえ923、924辺りの音質は他レーベルに引けを取らないし何よりもあの“伝説”の71年日本公演を50周年を記念して改めてパッケージするという気概は素晴らしい。おまけでフライングロックカーニヴァルがついてきます。

今更ながらこの日本公演は素晴らしい。プラントの声は71年9月の時点でピークを超えて下がり始めた時期であると思うが、それがまだ明確には表れていない。
個人的には「祭典の日」の演奏のピークはこの日本ツアーにあると思っている。「祭典の日」はロバートのヴォーカルからジミーのソロまで滑らかな曲線のように繋がっていて、バンドの一体感がものすごく表れる曲。リフもカッコよし、スピード感もありコンパクトながらもZeppで1番好きな曲です。929でこの曲にハマり全てのバージョンを聴きたいと色々と集めるも73年USツアーで復活したけどロバートの掠れた声にちょっとがっかりした覚えがあります。
僕がZeppのライブ音源で好きな曲は「祭典の日」「永遠の詩」「ダンシングデイズ」「シックアゲイン」の四天王。続ければ「カシミール」「胸いっぱいの愛を」(←メドレー付き)「オーシャン」「アキレス」「俺の罪」辺りか。「カシミール」は2007年のラストコンサートのバージョンが好きです。
この日本公演、特に東京公演については後日改めて触れようと思います。
CDは必要ですか?→Y
もうそろそろ潮時?
これを入手して「もうそろそろZepp関連のブートはいいかな…」と思いました。これとEVのシアトル+ヴァンクーバー箱でなんとなく満足出来る気がする。Zeppブートは新宿の華、それがこの箱で綺麗に総括されて終焉に向かっている気がしてなりません。
それはブートだけではなくグレイトフルデッド箱を含めたオフィシャル盤も同じです。
SONYもBlu-rayディスクの生産を中止する方向に向かっているようですし、フィジカルメディア自体の存在意義が問われているようです。CDも所詮800MBしか入らないメディア、ギガテラの時代に時代遅れになっています。Blu-ray専用ポータブルウォークマンも結局出なかったし(当たり前か)、パラダイムシフトに取り残されたメディアとなりつつあります。
でもさ…全部ストリーミングになると寂しくない?アルバムって聴覚だけではなくブックレットの歌詞やアートワークなど視覚や触覚込みで楽しみものだと思うんだけど。最近の非常にビジネスライクなアナログレコードのブームとは距離を置いていますが、それでも“物質としてのメディア”の素晴らしさを若い人が感じているのであれば、それがハイプだとしてもレコードブームは悪くないと感じています。
購入縛りルール
僕はブートレグに関してはルールがあって、当たり前ですが“聴くもの”を手元に置いてあります。いくらプレミアがついていたりレアでも聴かなければ手放すことが多い。ただ“聴くもの”は音質がいいとは限りません。多少悪くても愛着があれば時々聴きますし、サウンドボードがあってもオーディエンス録音で取っておく場合も多々あります。
後は、パッケージが良い、もしくはそのBOXに全集的な価値があるもの。今回の黒船は、大袈裟にいえば鱈の集大成的な内容で記念碑的な箱。音源以上にこの5公演をまとめたことに価値があるわけです。
逆にこれ以外の、味気ないプラケース系はどんどん手放す、もしくはそもそも購入しない。ネット音源で済んでしまうならそうしちゃう。
Zeppを含めてうちにあるブートなんて300枚もいかないと思います。やっぱオフィシャル盤だよね(シツコイ)。
EVの限定箱って当時ウン万円で買っても廉価版や再発盤がバシバシ出て、しまいにはすぐにネットに音源が流れるからいまいち買う気が起きない…75年シアトルだって当時超高価で買ったのに今や中古でなら10分の1の価格で手に入る(悲し)。それ以降EV系購入は躊躇してしまい、Xで誰かの購入報告を見て満続しちゃいます。音源はどうせどこかで出回る筈。75ロングビーチ2日目のサウンドボードはまだっすか?(出たら買うかも…)
↑このEVへの文句って僕だけじゃなくて他の人も言っているよね
ブート君も最近はそこまで夢中になって聴いていない(汗)。数年後には引退しているかもしれん…と言いつつ今日はイエスを買ってしまった。

↑話題(?)の73年レインボー。ブログでは取り上げないと思います…海洋地形学全曲+危機全曲。音質も中々です。
ついでに横浜のユニオンにYESのバックステージパスが売っていました。ファンの端くれなので一応回収しておきました。YES専用棚に飾っています

↑ お店には、あと一枚、『トーマト』ツアーのもありましたがデザインがシンプル過ぎてやめました。
僕は十年後もCDを買っている気がする。アナログも復活させようかな。UKトラッド系はお値段も上がっていないようですし、コレクションを再開するかもしれない。
(K)































