2005年以降、コロナまでほとんどブートレグを買わずにきました。
単純にずっと中国で生活していたこと、あとはクリムゾンやグレイトフルデッド、メタリカ、ザッパなどオフィシャルでもライブ音源をどんどん発売していたこともあって、そちらで満足…というか単にそれらすら聴き切れておらず、今でも持て余しています。
だからブートは諦めて、情報を集めることすらシャットアウトしていました。
しかしコロナで日本に長くいると、だらだらとYOUTUBEを見るようになり、色々とすごい音源があることに気づく。
ZEPPELINは多くのサウンドボードが発掘されていて、レインボーの良質AUD録音でDIO期とグラハム期の日本公演が更新、またマイクミラードのマスターテープがどんどん公開されたり(←流石に知ってた)…僕も昔の人間だからどうしてもフィジカルで欲しくなる(笑)。
Rainbow『第三種接近遭遇』
音質:★★★★★ / 演奏:★★★★
ということで上記レインボーの15年くらい前に(古!)発掘された『第三種接近遭遇』です。こちらは本来は2種類のソースがセットにされた4枚組で出されたのですが、その内の“より一般リスナー向け”の方を単独で発売したもので、ジャケットには「4TH EDITION」と書いてあります。
80年の日本公演は東京と大阪それぞれ3日間の計6日行われましたが、これは東京は武道館の2日目、80年5月9日の音源です。
グラハム期のライブアーカイブは、オフィシャルで『モンスターズオブロック』(80年8月16日)が、一部がDVDで、大部分がCD化(コンプリートではない)されていますが、あとの目ぼしい音源といえば、『A LIGHT IN THE BLACK』に収録の79年11月30日のラジオ音源、ほとんどブートレグと言ってもいいレーベルからでた、79年10月12日、同年11月16日くらい。
それにしてもこの音源は音質が凄い。
勿論オンマイクで、グラハム先生の“4オクターブの声”もリッチーのスーパープレイもサウンドボードと間違えるような音質で記録されています。観客の拍手や歓声も入っていますが、そこはAUD録音の醍醐味でもあり欠点でもあるけど、この音源に関しては「それがどうした」状態。もう10数年経過しているのでバージョンアップ音源も出ていると思います。
「LOST IN HOLLYWOOD」は、ZEPPELINでいう「NO QUATER」「胸いっぱいの愛を」みたいに真ん中に色々なものがサンドイッチされている長尺曲で、ドンが「上を見て歩こう」「君が代」を演奏しているのはご愛嬌。タイトルにもなっている『未知との遭遇』のサントラも勿論演奏しています。
ちなみに「KILL THE KING」はインストですから、グラハム版を期待しないように。
この日の音源はそもそもアナログ時代から音が良かったそうなので、未聴の方はネットの音源でもいいので聴く価値ありです。きっとCDが欲しくなる…かも。
さてグラハム期全般についてなのですが、アルバム『DOWN TO EARTH』はリッチー先生の“売れ線で”との方針で、ELOみたいなシンセから始まり、「ALL NIGHT YOUNG」、カヴァー曲でポップスに近い「SINCE YOU BEEN GONE」なども含んでいて、この路線にどうやらコージーが不満だったようですが、単体のアルバムとして見ると非常に優れています。
しかもライブだと一部メロディーもアレンジし、仄かにあったELO色は全く消え去り、ハードロックが前面に。懐っこいメロディーと驚異的なグラハムの歌唱、素晴らしいリッチーのソロとDIO期に勝るとも劣らないハードロックを奏でています。ロジャーのバッキングボーカルが、外したりいなたい時があってそれもいい。
最後に、ブートCD選びについてですが特にこだわりはありません。一応この黄色シールを中心に買っています。高校生だった97年くらいにここのZEPPELINのブート高すぎて買えなかった苦い思い出があって、その憂さを晴らしたいだけです(汗)。ブートは音作り、ジャケット、値段から好みのものを選べばいいと思います。買わないでネット音源を聴くのもあり、というかそれがベストかもしれません。1000円で買える通称「千ブー」なんていうのもありますが、禁じ手を使ったと感じるのは僕だけでしょうか。
(K氏)