音国史(中国史と音楽レビュー)

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Led Zeppelin『偉大なるライブ』(1970年6月28日 Bath Festival)パート①

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今年、BFから出た75年のヴァンクーバーとシアトルの合わせて4公演分がdemixを施して『大怪獣ゼッペリン現る』として登場。既に4公演とも同じくBFのサウンドボード音源で持っているのですが購入…。そもそもdemixっていうのが未だあまり理解できていない(汗)。

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グレイトフルデッド等のジャム系の音源でもマトリックス(matrix)音源と言われるものがあって、これは複数のソースをミックスしていることなのですが、普通はサウンドボード音源にAUD音源を合わせたものを指すことが多いです。多分ブートレグ界隈でも似た意味だとは思いますが、違ったらすみません。

ではdemixとは何でしょうか。どうやらボーカルやギター、ベースなどを分離させることを指すらしい。今まではミキサー卓でベースをブーストさせたりといじくり回していたものが、分離させることでさらに細かくいじくり回せたりノイズを除去できるという理解でいいのですかね。

で、ヴァンクーバー公演19日で比較してみましたが、確かに全然違う。大好きな「Sick Again」はプラントの声からして明らかに違う。問題は、どちらがいいか悪いかが分からん(笑)。サウンドボード盤に慣れすぎて、いいとか悪いとかではなく、このdemix版に違和感を感じてしまう。

 

でもこれはいい事を知りました。demixを施す事によって何かが変わるらしい(曖昧)。今回は元ネタのサウンドボード音源自体が、そもそも良好な音源で、尚且つ僕の耳と再生環境がゴミカスなめくじだったことが要因。

BFはこのdemixとやらでまた色々と高いBOXを出してきています。僕はちょっと予算不足で付き合えませんが...

 

で、気になる音源が出た(未購入)。

1970年6月28日の「バスフェスティバル」のdemix版です。

値段も3000円強と手が届く範囲。

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はっきり言っておきますが、↑はまだ未聴です。だから今回はパート①なのです。

うーむ、これは欲しい…今でも十分聴ける音質なのですが、このdemixパワーでどのくらいバージョンアップしているのか知りたい。

日本に帰国したら即購入です。

売り文句の「最新AIオーディオ編集スペクトラルDEMIX」が気になりますね。

 


で、今所有しているP版バスフェスティバルで復習です。

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Led Zeppelin『偉大なるライブ』(1970年6月28日 Bath Festival)

音質:★★☆ 

演奏:★★★★★ (後半にクライマックス) 

昔の『バスフェスティバル』は、音が悪い…よくわからないけど凄いといったイメージ。確かに音は悪いけれど、それでも最凶音質の1973年3月26日よりはよかったと思います(汗)。あれはスタジアムの外から漏れている音を聴いているような音質です。

ん...いや、どっこいどっこいかもしれない。正直記憶が曖昧で「非常によろしくない」ということ以外は覚えていません。

www.youtube.com

チャレンジャーがいるかもしれないので現状で音質が悪くて有名な1973年3月26日を貼り付けておきます。

(改めて聴くと、意外と聴ける?いやいや…)

 

その『バスフェスティバル』が、どうやら2010年くらいに見つかった新たなソースで随分とまともな音質にバージョンアップ。僕もネットで何回か聴きました。このCDもそれらの派生の一種でしょうか。

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音質は正直今でも少し厳しい。

が、リスニングに十分耐え得るレベルです。

改めて言うと、音質の評価はこのCDに対するものというより、そもそもの2010年ソースに対してのものです。昔のソースが★くらいなので、2010年新ソース+各店の努力で★★☆にバージョンアップしたということになります。

でも1970年という時代を考えると、これだけしっかり聴き取れるようになっただけでも十分な価値、資料性があると思います。

1曲目の「移民の詩」から頭が痛くなってきますが、2曲目から持ち直します。

内容ですが最高です。この時期はまだ所謂ツェッペリンサウンドに移行したわけではなく、ユーライアヒープやハンブルパイといったブリティッシュハード、ブルースロックといった趣もあります。

「Bring It On Home」「Thank You」がセトリから外れたくらいから本格的に「レッドツェッペリンたるライブ」の時代が始まります。

その過渡期にあたる音源ですが兎にも角にも皆若い。プラントもジミーも元気。JPJとボンゾはいつも元気です。

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雑に感想だけ述べます。

「移民の詩」は音質が悪いですが、アルバム盤とは別バージョン。

「Dazed〜」は音質も相まって非常に暴力的なことよ。これが9月になるとアレンジが固まって聴きやすくなっています。

この時期の「How Many〜」はボーカルとギターの絡みが毎回あるのですが、この日のジミーは冴えていて全編にわたって切れ味のあるソロを披露します。サウンドボードがある3月7日バージョンを聴き込んでから比較すると面白い。

「Whole 〜」「Communication 〜」からラストのロックンロールメドレーまでプラントがもう誰にも止められないレベルでノッています。若さがギラギラしているシャープな感じ、この異常空間はこの時期にしかない特別なものです。

70年だと1月9日ロンドン、3月7日モントルー、9月4日LA、9月19日MSG辺りと並ぶ超凄い内容なんですが、何せ音質がもう少し良ければ…ということでdemixに期待しています。

 

数か月後にdemix版を買った後でパート②を出します。

 

(k)